【出会い系サイトとのつきあい方は?】


 なんか、出会い系サイトを発端としたとされる事件報道が相次いでいます。
これだけ繰り返されると、捜査当局の意図を感じざるを得ません。
 事実、警視庁は検討会を発足させました。

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2001年5月18日(金) 10時53分

少年への有害ネット対策研究会発足=出会い系サイトなど調査−警察庁(時事通信)

 警察庁は18日、少年が容易にアクセスできるインターネット上の性や暴力などの 有害情報に関する対策について、有識者や業界関係者と意見を交わす「インターネッ ト上の少年に有害なコンテンツ対策研究会」を発足させた。今年度末までに報告書を まとめる。
 男女の出会いの場を提供するネットの「出会い系サイト」で知り合った女性を、少 年が殺傷する事件が今年に入って相次いでおり、少年によるネットの利用実態などに ついても調べる。 

[時事通信社 2001年 5月18日 10:53 ]
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 こうしてインタ−ネットの世界にも警察の目が入ることになります。
 たしかに、京都メル友殺人事件のほかにも下記のような、出会い系サイトを発端と したとされる事件報道があるのですから、ユ−ザ−が気を付けなければなりません。 ネットでのやりとりは、文字だけのために、お互いが勝手に「物語」を想像し、文字 以外の部分を補うことは間違いありません。私もメ−ルでのやりとりをして会った人 たちは、「物語」を補っていたために、想像通りの人は会ったことがありません。
 しかしながら、それは「メディア・リテラシ−」の一つとして、「コミュニケ−ショ ン・リテラシ−」が必要なだけであって、メディアおよびコミュニケ−ションの規制 ではありません。
 とくに生きづらさ系な人々は、メル友に期待を寄せる部分があります。現実では癒 せない心をメル友が癒してくれる場合もあります。だから、実際に会うと、過剰な期 待を寄せてしまうものです。そもそも生きづらさ系な人は、人に過剰な期待を寄せが ちな分、注意は必要です。
 では、どのような対策が必要でしょうか?
 みなさんはどう思いますか?
 アイデアがあれば教えて下さい。

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2001年5月20日(日) 22時25分

<メル友>女高生を監禁した容疑で18歳少年を逮捕 埼玉県警(毎日新聞)

 埼玉県警本庄署は20日、同県本庄市内の店員の少年(18)を逮捕監禁と窃盗な どの容疑で逮捕した。べでは、少年は16日午後8時半ごろ、携帯電話のメールで知 り合った同県内の高校1年の女子生徒(15)に、わいせつな行為をする目的で、本 庄市内の空きビルに連れ込んで監禁するなどした疑い。

[毎日新聞 5月20日]

2001年5月21日(月) 6時0分

<裁判官逮捕>高裁判事、別の少女にも現金払い胸さわる(毎日新聞)

 中学2年の女子生徒にわいせつ行為をしたとして児童買春・ポルノ禁止法違反容疑 で逮捕された東京高裁裁判官、村木保裕容疑者(43)が、この女子生徒の同級生に も現金を渡し胸などを触っていたことが20日、警視庁蒲田署の調べで分かった。少 女らに対し、村木容疑者は偽名を使って近づいていた。同署はほかにも余罪がないか 追及している。
 調べでは、村木容疑者は昨年12月中旬、携帯電話の出会い系サイトで同級生の少 女(14)と知り合った。数回メールや電話で連絡を取った後、川崎市内のカラオケ ボックスで、この同級生の胸などを触って現金1万5000円を渡していたという。 その後、「他の女の子を紹介してほしい」と頼み、今回の逮捕容疑の被害者になった 女子生徒(14)を紹介されたという。
 女子生徒や同級生との連絡には、プリペイド式の携帯電話を使い偽名を名乗ってい た。出会い系サイトも偽名で利用していたという。

[毎日新聞5月20日] ( 2001-05-20-23:26 )

(メ−リングリスト・生きづらさ系のML 01/05/21配信)
【メル友の事件】



 最近、ネットをきっかけとした事件・自殺の報道が多くなっています。なんか気に ますね。このように、集中的に報道される時は、当局(警視庁や法務省)側に、なん らかの意図(たとえば、ネットの規制)があることも多いようです。事実、当局は、 『出会い系サイト』の規制についての研究をはじめている、と言われています。

 さて、そのような当局側の意図とは別に、最近のネット事件・自殺について考えて みましょう。以下は、毎日新聞の報道です。

<女子大生遺体発見>メル友の25歳男性を逮捕 京都府警(毎日新聞)

 京都府宇治田原町の宇治川で先月、北海道北見市出身の京都女子大2年、岩渕美希 さん(19)の水死体が見つかった事件で、京都府警は15日、同市山科区西野山中 鳥井町、土木解体作業員、西嶋宏昭容疑者(25)を殺人、死体遺棄容疑で逮捕した。 西嶋容疑者は容疑を認めているという。 
 また、同府綾部市の伊佐津川で京都市右京区西京極南衣手町、会社員、宮内美佐子 さん(28)が絞殺体で見つかった事件でも、西嶋容疑者が宮内さんのハンドバッグ などを質店に持ち込んでいるのが確認されており、府警は西嶋容疑者の犯行とみて追 及している。
 被害女性2人は、ともに「メル友に会いに行く」と言い残して失そうし、殺害され た。いずれも「出会い系サイト」と呼ばれる携帯電話のメールサービスで西嶋容疑者 と知り合ったとみられ、両事件は、携帯電話を介した連続殺人に発展する可能性が強 まった。府警は田辺署に捜査本部を設置し、動機の解明を急いでいる。
 府警は岩渕さんの事件後、携帯電話の通話記録やメール送受信の解析を進め、西嶋 容疑者が岩渕さんと接触していることを突き止めた。さらに両事件の手口が似ている ことなどから関連を捜査。西嶋容疑者とみられる男が同6日、京都市内の質店を訪れ、 宮内さんが事件当時所持していたバッグや財布を入質していたことを突き止め、15 日午前から任意で事情を聴いていた。

 まだ動機がわかりませんが、西嶋容疑者は、被害女性と何度か会っていたようです。 しかし携帯電話などの「出会い系サイト」が発端となったことのでようですが、これ によって「出会い系サイト」が危険である、という様な短絡的な認識が広まりつつあ る感じがします。特に捜査当局や報道関係の中でそのようなスタンスがある感じがし てなりません。でも何万という無数の「出会い系サイト」があるなかで、ほんの数例 にしかしぎないと思うのです。逆に考えれば、これだけネットや携帯電話が普及して いるにもかかわらず、「出会い系サイト」をきかっけにした事件が少ないとも言えな くもない。
 当局は「出会い系サイト」の規制の検討に入っているようですが、何をもって「出 会い系」とするかは難しいところがあります。純粋に「恋愛」や「不倫」を求めるよ うなサイトだけが「出会い」をつくるわけではなく、さまざまな掲示板は複数と複数 とのコミュニケ−ション=出会いが成立します。もし「出会い系」を規制するのなら、 「出会い系」ではない掲示板やメ−リングリストも規制の対象にならなければ、論理 矛盾になります。しかしそんなことをすれば、ネットの意味がありません。
 テレクラ規制の場合は、テレクラ自体が「出会い」を求めるメディアですが、ネッ トの場合は、目的が曖昧であって、結果として「出会い」となるケ−スも少なくあり ません。
 それに、結局は、どのようなやり取りをし、相手が犯罪を犯すような人かどうかは 偶然に過ぎませんし、それは日常の中のスキルと同じようなレベルでもあります。ほ とんど偶然にしかすぎません。
 GW中に、わたしの「メル友」が北海道からやって来ました。彼女は、友人に怒ら れたようです。「一人で危険なことを・・・」ということですが、まあ、たしかに、 まだ「レッサ−パンダのオトコ」も逮捕されていませんでしたし、「メル友」の事件 が最近では起きているので、心配も分かります。ただ、わたしの「メル友」が運が良 かったことといえば、その相手が「わたし」だったことかもしれません(笑。

(メ−ルマガジン「てっちゃんニュ−ス」01/05/16号)

【メル友自殺ニュ−スで考えたこと】



 またメ−ルでの「事件」が報道されました。
 時事通信は以下のように伝えています。

 ◆  ◆  ◆
 27日午後5時50分ころ、福岡県飯塚市本町の5階建ての空きビル横の路地で、 制服姿の若い女性2人が倒れているのを近くの住民が発見した。ビルの屋上から飛び 降り自殺を図ったとみられ、病院に運ばれたが全身を強く打って重傷。2人は同県田 川郡内の中学2年生(14)と名古屋市の高校2年生(17)で、飯塚署は電子メー ル友達同士ではないかとみて調べている。
 同署の調べによると、中2女子は今月25日に家出し、家族から捜索願が出ていた。 周囲の友人に「メール友達の件でわたしも死ぬ」と話し、自殺をほのめかしていたとい う。また、高2女子も27日は帰宅せず、家族が捜していた。
 飛び降りる前、ビルの4階で2人が話し合っている姿が目撃されており、屋上には2 人の携帯電話やリュックサック、靴が残されていた。
 ◆  ◆  ◆

 ニュ−スでは、メ−ルでの出会いの形には触れられていないので、どのような問題を 含んでいるかはよくわかりません。一部のテレビニュ−スでは、学校側が携帯電話の 使用実態を調査すると伝えていたので、おそらく携帯電話もしくはPHSのメ−ルでの 出会いではないかと思われます。

 ドクタ−キリコ事件というほどの専門的なコミュニケ−ションではなさそうです。
 でもこの事件は、ある意味では深刻な問題も含んでいます。
 というのは、おそらく「転移/逆転移」の問題だと思われます。
 中2の子が「メール友達の件でわたしも死ぬ」ということを周囲の友人にもらしている ということですが、この子はあきらかに「逆転移」をしています。自分を、高校2年の子 に投影してしまっています。この背景には微妙な心理的な背景が想像できます。
 私が取材を進めている中でも、同じような「転移/逆転移」の問題を見ることができま す。相談に乗っている人が、相談者に感情移入をし、自殺未遂をはかってしまったケ−ス もありました。これは私も気をつけている問題です。取材者として「転移/逆転移」の 問題にはまってしまう可能性もあるからです。非常に厳しい話を聞いた後は、感情移入が 強いために、わたしも「疑似」的な鬱になることもあります。わたしはいまのところ、 その疑似的鬱の解消方法があるために、いまのところ深刻にならずにすんでいるのかもし れません。また私を聞くときには、「自己関連づけ」する部分もあり、そのコミュニケ− ション自体が取材なのですが、「過度な自己関連づけ」をしないようにも気をつけていま す。
 おそらく、中2の子は、日常の生活の中から「過度な自己関連づけ」をしてしまったの でしょうね。しかもそれによって自殺までの行動をとってしまうとは、おどろくべきこと です。
 私が執筆した修士論文では似たような問題を扱っています。やはり、このような、ネガ ティブな情報ほど関連づけしやすいし、伝染しやすいのです。自殺願望というネガティブ な感情は伝染しやすいのでしょう。相談によるコミュニケ−ションはこのような問題を含 んでいます。これはメ−ルという手段によって即時性を増してゆきます。

(メ−ルマガジン「てっちゃんニュ−ス」 01/02/28号)

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